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DH
「Time is money. 」
昔、叔父さんは僕にこう言った「時は金なり」と、時間に価値があると考えると、高速道路は正に時間をお金で買うに等しいと思う。もう子供じゃないんだから、国道をひた走るなんて、そんな無駄な時間は過ごせないよ。そう、僕は大人になったんだ。だからみんなレースでもタイムを競うんだよ。そうだよね、叔父さん。
三瓶山の朝は相変わらずだね。毎年来ているけど、慣れないよ。
今日はダウンヒル、昨日までの雨でシングルトラックは泥沼状態、でも、ダウンヒルのスタート前の緊張感って・・・なんかワクワクドキドキするんだよね。
走り出すと目の前の景色が後へ飛んでいく。う〜ん、グッドチョイス!このタイヤは正解さ!そしていつも苦手な第1コーナー、逆バンクのタイトな右カーブ。OK叔父さん、わかってるよ。なんとか足を付けずにクリア!そして、魔のシングルトラックへ突入!一歩踏み出せば30cmも埋まる泥沼だけど、こんなところ攻めて走ったらどうなる?大人になった僕はもっと安全に下らないとね。
そりゃあ慎重に下ったさ。でも、着いた足は靴が脱げるほど埋まってしまった。う〜ん困ったね。僕はやっとの思いで埋まった両足を引き抜いて体勢を立て直した。ふっ・・・かまわないよ、既に泥だらけだけどOKさ!(なにが?)
周りが開けてきた、ゲレンデに出たんだ。もう泥沼とはおさらばさ・・・そのとき、ふっと身体が浮いたと思ったら、バイクは僕の前を勝手に走っていた。どうやら手が滑ってハンドルから抜け、そのまま自転車に置いていかれてしまったみたいだね。大丈夫、痛くないよ。プロテクターが、また、僕を守ってくれたよ。
そしていよいよ終盤、リフト乗り場近くはギャラリーが多いから、やはりそこだけは見せておかないとね。OK叔父さん、わかってるよ。滑りそうなハンドルをしっかり握って軽快な小ジャンプ。^^;グッド!少々上がった息を落ち着かせながらゴール。
時折見せる晴れ間が、今年も眩しかった・・・
XC
クロカンのほうはロクに練習もしていないんでね。(ダウンヒルもそうだが・・・)
何も言わないでおくことにするよ。レポートは燃焼系に任せるさ、頼んだよ。
燃焼系執筆
(プロローグ)
惨敗だった前回のレース。どう考えても力を出し尽くしたとは言えなかった。あれからというもの『ゴール後に倒れこむようなレースをしたい』と思うようになった。今回の目標はそれだ!!それにしても「口は災いの元」とはよく言ったもんだ。国道には男のロマンがあるという話を前回してしまったが為に高速道路が使えなくなってしまうとは。無念である。
(6月26日)
消防車の放水のような雨。国道をひたすら走る。なぜなら高速道路が使えないというハンデがあるからだ(身から出た錆)。貧乏だからではない(少しはある)。今回は近いので多少の余裕はあった。三瓶山に到着。雨は収まっていた。しかしコースは雨の影響でぬかるんでいた。マッドだ。試走する。スタート直後の激上がりに面食らう。ここが勝負の分かれ目か?シングルトラックはほとんどがぬかるんでいた。マッドタイヤを用意しておいて良かった。YABAIの仲間にょろと合流。彼はDHのレースを終えていた。ビールを飲んで車中にて就寝(今回は飲んじゃった)。
(6月27日)
雨。昨夜はやんでいたはずなのに。試走開始。外国人と並ぶ。まさか!?
「ひょっとして小国でシングルギアのバイクにに乗ってました?」「ヨクシッテルネ」やはりミスターシングルだ。我がライバルとの再会。感動した!!せっかくなので走りながら話した。彼は元々ロードの選手だったらしい。MTBに転向してたった3戦でエリートまで昇格したが、その後疲労の蓄積で病気となり2年間休んでいたそうな。小国をシングルギアで走ったのは「オソクテモイイワケデキルデショ」という理由らしい。さて今回の彼のバイクはというと。9段じゃん。なんで??「コノコースハシングルジャムリ」だと。しかしフロントはやはりシングルだった(さすがライバル)。彼との再会でテンションが上がってきた。今日こそ勝つ!!シングルに負けるか!!
スポーツクラスの前に一般クラスのレースがあった。にょろ、ピーター、くまちゃんの出番。1週目はにょろが先行。さすがはYABAI永遠のトップバッター。しかし2週目でピーターに捕まったらしい。マイペースのピーターは今年も健在か!?くまちゃんはメカトラでDNF。残念!!一般クラスが終わると同時に雨がやんだ。いよいよ出番だ。
<1週目>
スタート。と同時に遠ざかる3つのヒロシゲジャージとミスターシングル。ゆるく下って激上りに突入。ペダルが空回る。チェーン外れ(涙)。チェーンを戻し、必死で追走する。これじゃ前回と同じパターンじゃん。今回は必ず力を出し尽くすと決めていた。シングルトラックに突入。前を走る選手には失礼だが、遅い。イライラ、苛苛、イライラ。前を走る選手のバイクから泥が飛んでくる。目に入る(痛い)。口に入る(まずい)。
<2週目>
疲労と焦りでボロボロのボロ雑巾(やはり貧乏)。足に力が入らない。目の前の選手に追いつけない。スタートラインに戻ってくる。そこで聞こえてきたのは仲間達の声援だった。ヤノッチの「前を見て」という言葉に失いかけた意識を取り戻す。そして見失ったヒロシゲジャージが再び視界に入る。追いつけるか!?コースの脇でにょろの姿を発見。わ、忘れていた。数日前のにょろとの会話を思い出す。
〜回想〜
にょろ「レース中に頭に流れる音楽ってある??」
燃焼系「そうですねえ。ロック系の音楽が代わる代わる流れてます」
にょろ「実はレースにぴったりの音楽があるんだよ」
燃焼系「マジ本気ですか??教えて下さい!!」
にょろ「それはね・・・・・・・・・・・・・」
その時、頭に浮かんできたのはセクシーな衣装に身を包んだ山○リンダだった。目の前には逃げさろうとするヒロシゲジャージ(アームレスラーA木氏)。狙い撃○だ〜〜〜〜!!頭の中でけたたましく鳴り響く『狙○撃ち』のイントロ。揺さぶられる脳細胞。上がってくるテンション。全身に力がみなぎる(理解不能)。うららららら〜〜〜(やけくそ)。逃がさないぜ〜〜〜!!
<3週目>
とうとうアームレスラーA木氏に並ぶ。そして逃げる。最後のシングルトラックに突入。背後に忍び寄るアームレスラーA木氏。あの丸太のような腕に捕まったら逃げられない(そんな事はされない)。焦りがハンドル操作を誤らせる。ぬかるみにはまる前輪。激しく浮き上がる後輪。そのまま前方宙返り(B難度)。ひねりを加える(一回転でC難度)。自転車と共に泥の中。着地失敗(難度不成立、0.3の減点、審判規則参照)。「大丈夫?」横を通り過ぎるA木氏。くそっ!!すでに『狙い撃○』の効果は切れていた。後は自力だ。バイクにまたがりペダルを踏みつける。A木氏が視界に入ってくる。うらららら〜〜。ペダルを踏む、回す回す回す踏む踏む踏む回す回す回す。A木氏に並ぶ。う〜〜〜らら〜〜〜〜。ゴール。そのままブラックアウト・・・・・・・。
コースの脇に倒れこむ。思えばここまで自分を追い込んだのは初めてだったかもしれない。力を出し尽くした。結果はともかく、そのことが嬉しかった。皆の声援、それに『狙い撃○』のおかげだ。
そんでもってエキスパートのレース。例によってコース脇で並んで走る。「タケダッチさん、僕が引っ張るんでついてきてください」「無理」「オッキーさん、僕がひっぱります」「無理」やはり邪魔か!?邪魔なのか?エリートクラスのレースではヤノッチに熱い声援を送る(並んでは走らない)。
(エピローグ)
帰り道。目標を達成した満足感はあったが結果はそれほどでもなかった。まだまだ練習が足りないと感じた。レース後にヤノッチから「もっとパワーをつけたほうがいい」と言われた。やはりパワーが足りないのか。どうすれば?そんな事を考えながら高速道路の看板を何度も目にしては通り過ぎる。これも男のロマンだ。と、自分に言い聞かせた。