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結果 |
(プロローグ)
ムーンサルトを生み出した塚原光男は言った。
「トップアスリートは常に孤独だ」
違う意味で孤独を感じる今日このごろ。一年前にレースデビューを果たしたレースに今年も参戦した。
(7月18日)
久々のもみのき森林公園。厚い雲の隙間から太陽が見え隠れしている。湿気も少なく良い気候だ。猛暑を予想していただけに天候には恵まれた。今回は午後からのXCだけなので余裕の会場入りだ。耐久レースがまだ行われていた。受付前のUターン地点で観戦。皆必死の形相で走っている。その中にはHRTギャルズの姿も見えた。にーやん(HRT)と遭遇。
「優勝しなかったら、もう一緒には走らないから。」
そう言い残し帰っていかれた。き、厳しいお方や。
そうそう、今回は新メンバーの炒飯(強制入部)も参戦。彼は中学校時代からの友人(腐れ縁)であり、妻も子もいる身分。昨年の自分と同じように、このレースでデビューだ。炒飯の子供(U太)に、ピーターを指差し「熊殺し」と反復して覚えさせているとスタート地点に選手が集まってきた。エリートクラスからのスタート。スポーツクラスのオイラとピーターはその次である。ビギナークラスの炒飯は最後だ。なるべく前方に陣取ったが周りを通勤快速軍団(おっさん)に囲まれた。ピーターは斜め後ろにいた。
<1週目>
スタート。飛び出す通勤快速軍団。そんなに生き急いでどうする!!走る通勤快速。前方をふさぐ通勤快速。横でぜぇぜぇ言う通勤快速。接触してくる通勤快速。転倒する通勤快速(む、むごい)。通勤快速軍団はスタート直後に予想通りのアグレッシブな走りを披露してくれた(少々見苦しいが)。
そして登坂。一人ずつパスしていく。頂上手前でとうとう単独トップに躍り出た。レースデビューして一年。初めての先頭である。
下り。落車のないよう慎重に下る。見覚えのない風景。はて??コース間違ってるやん!!焦って引き返す。コースに戻ると後続が近づいてきていた。シングルトラックで再び引き離す。シングルの出口では自転車を担いだ。
<2週目>
単独トップで2週目に突入。後方に人影はなし。「トップアスリートは常に孤独だ」とは、こういうことなのですね、塚原先生。
登坂に突入。後方を振り返る。赤いジャージが見えた。孤独とは無縁だ(無念)。前半に飛ばし過ぎたのか、足が重くなる。大きな轍にはまり思わず足をついてしまう。しまった。再び走り出そうとするが、ペダルがはまらずなかなかスタートできない。そうこうしているうちに追いつかれ抜かれてしまった。ペダルを踏み倒すが距離は離れていく。
下り。見失いかけた赤いジャージを追う。そしてあの名曲が頭の中を駆け巡る。狙い〜〜撃ちだ〜〜〜!!距離が少しずつ縮まっているのがわかった。最後のシングルトラックで追いつく。しかし抜きどころがない。無理に抜かそうとすればこちらが危ない。
シングルの出口。一瞬早く自分が自転車を担いだ。並ぶ。二人同時に自転車にまたがるが接触してしまう。絡まるハンドル。ほどけない。転倒が頭をよぎる。次の瞬間ハンドルがほどけた。ペダルを踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む。う〜〜〜らら〜〜〜〜〜。ゴール。
ゴール後。赤いジャージの選手(2460氏)に接触したことを詫びた。
「レースだから仕方ないよ」
2460は快活にそう言った。そして握手。初優勝だ。嬉しい。素直に嬉しい。本当に嬉しい。
世界の中心で叫びたいくらいだ(流行ってるねぇ)。
ピーターは少々遅れてゴール。炒飯は1周なのですでにゴールしていた。
「どうだった?」
「こけた」
傷口を見せる炒飯。去年の自分みたいだ。やっぱ腐れ縁かぁ。
(エピローグ)
表彰式を終え、スパ羅漢で温泉に入った。放心状態の熊殺しピーター。傷が痛そうな炒飯。はしゃぐU太。打たせ湯が気に入ったらしく一人で占領している。レース後の虚脱感は皆同じだ。一名を除いては。その後、行きつけの店で食事をして帰った。車中にて。「ぐぅぅ!!」助手席でうなるピーター。
「ど、どうしたんですか??」
「いやぁ肩がおかしくて・・・・。レース中に外れたようですねえ」
「じゃあ今はまったんですか??」
「どうもそうみたいです」
そんなことあるか!!と、激しく突っ込みながら今回のレースは和やかに幕を閉じた。